防振設計の概要


防振設計の概要


建築物内の振動環境の保全とは、有感振動および振動が床や壁、天井に伝播し、固体音となる騒音の防止に他なりません。
設備機器や配管・ダクトなどの振動は、必ず有感振動や固体音となるわけではなく、以下に示す4条件が複合的に不利になった場合に発生しやすくなります。

1)建築物内の機器などの設置位置(振動を防止したい対象室と振動源の距離関係)
2)近傍の室用途(居室、客室、病室、事務室、音楽ホール、スタジオなど)
3)設置される躯体(主に床版)の剛性の強弱
4)機器などの種類、容量によって発生する加振力の大小

有感振動および固体音を防止するには、以上4条件の把握と複合的に不利にならないようにすることが重要になります。
現実的には、省エネルギーによる機器の分散化や様々な建築設備設計があり、複合的不利条件を回避しにくい傾向があります。
更に、建築物の高層、軽量化を考えるとき、高グレイド化した人々の振動環境の保全を行うためには、防振が不可欠の要素になってきております。
防振とは、機器や配管・ダクトなど加振源をコイルばねや防振ゴムなどで弾性支持し、床などの支持部へ伝達する加振力を低減させることを言います。
振動伝達率Trは、Tr=*

で求められ、
防振効率E(%)は、
E=100(1-Tr)(%)で求められます。
建築設備の防振は、建築の用途および室用途や機器、配管・ダクトなどの種類、容量、設置位置を配慮して、全体的にバランスよく行う必要があります。

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